日記テスト運用中

不定期に更新中。高専・学生ロボコンといったNHKロボコンネタを主に。ほかにもいろいろ。

「高専ロボコンの本」について : ロボコン30 高専ロボコン30周年を前に

この記事はKosen Advent Calendar 2016の21日目となります。

今年のKosen Advent Calendarの項目がなかったので、作成してみたのですが、早いうちから作成すべきだったのと、ウェブ上での高専クラスタへの影響力の弱さを示してしまった格好になったことな否めず・・・といったところです。あと4日分枠がありますので、どなたかいかがでしょうか。

・・・本題へ移ります。

現在代表として活動しています同人サークル「flying gears」→ウェブ →Twitter を立ち上げてからは3年4ヶ月ぐらい、サークル参加して頒布してからですと2年半をちょっと超えるぐらいとなりました。サークル、といっても複数人で活動しているわけではなく、現在は1人で進めており、資料や画像の提供、頒布にあたって売り子の協力など、その都度お願いしている状況です。

では、なぜ同人サークルを立ち上げて、高専ロボコンを題材とした同人誌を書くに至ったのかについてです。

昔は同人誌とか同人イベントの類に対して、典型的な、ステレオタイプなネガティブなイメージを持っていたところはあります。頭の硬い技術者像というんでしょうか。
そのステレオタイプな考えが完膚なきに砕け散ったのはコミックマーケット83の3日目行ったことから始まります。

この頃「好きに対して驀進し続ける」印象、それが琴線がふれたのか森薫先生の作品にのめり込むようになっていました。そこを起点にか、ヴィクトリア朝時代の使用人文化の研究を長らく続けているSPQR 久我真樹さん (→ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん)を知りTwitterでもフォローするようになりました。その久我さんがサークル参加するとTwitterで見て、行くことに決めました。
SPQR 久我さんの代表作には、同人誌版はコミケカタログより厚いと話題になり、後に商業ベースでの書籍にもなりました「英国メイドの世界」が挙がるでしょう。その刊行までの経緯を知ったことも影響として大きいです。

C85 3日目へ行き、同人誌、同人活動へのイメージがガラリと変わる決め手となったのは、評論・情報、同人ソフト、このあたりのジャンルを知ったことでしょう。のちに自ら沼へと飛び込むにまで至るとは、当時思っていませんでしたが。

自分の好きに対して情熱を大爆発させている場、というカルチャーショックです。

SPQR 久我さんと併せて当時大きな影響を受けたのは、KZA2企画 (→棚から一掴み) tekeさんの「棚から一掴み」シリーズや、Circles' Square (→Circles' Square «サークルズスクエア» 公式サイト) シアンさんの「はじめての同人誌」が挙がります、どちらも(評論・情報ジャンルを主に)メタな観点から同人誌を刊行していますサークルです。この3サークルから影響を受けたのは、のちの「第1回おもしろ同人誌バザール」でのインタビューでも答えた覚えがあります。

併せて、同じ頃からMaker Faire Tokyoを見に行くようになりまして、自らの手で好きを形にする。そして表現することへの強い憧れがあったのは確かでした。

もう1つの動機、それは高専ロボコンに限らず、大学ロボコン(現 学生ロボコン)、ABUロボコンなどNHKロボコン全般について、過去の記録や情報へのアクセスや蓄積が乏しい事です。

その一昔前、WikipediaNHKロボコン関連のエントリを整備するのを通じて、情報の集約の中軸にできないかと編集を続けていたことがあります。ただ、そこはWikipedia、仕方がないことでしょうが、(Wikipedia上で妥当とされる)出典を探すのが難しく、挫折する結果に。「要出典」の山をどう崩せばよいのか・・・

他のロボット競技とは異なり、大会だけでなく最終コンテンツとして「番組」があるのがNHKロボコンの特徴です。しかし過去の大会のそれについて、アクセスがなかなか難しい現状があります。録画された番組や総集編の放送を頼りにする状況です。映像だけではありません。競技内容や競技フィールドの図面、出場したチームの結果・・・過去大会、特に90年代前半の大会についての情報を得るのは、一筋縄では行かない現状です。

情報を集約するということであれば、別段同人誌でなくとも、ウェブサイトを立ち上げたり、Wiki等の編集可能なCMSを使ってコミュニティを作ったり、いろいろ方法があったでしょう。
それでも同人誌での刊行を選んだのは、先に挙げました久我さんの同人活動の遍歴を知ったことが大きかったです。資料の収集と考察、新たな知見を積み上げる。それを続けることで、誰も知らない、または触れたことのない分野でも膨大な記録を形にできる・・・

加えて同人誌という選択が、サークル立ち上げから現状においては妥当と思う要因に、1冊の物理的な書籍として形になること、そしてサークルスペースを通じまして多くの諸関係者と話をできることが挙がります。

それらの影響や理由、そして数年後には高専ロボコンが30周年となる。そのときに大きな刊行をできることを目標として、同人サークルを立ち上げ、活動を始めることにしました。

斯くして次回のC84にて、C85のサークル参加の申し込みセットを手にし、サークル参加に挑むも抽選洩れ。初応募だと・・・よくあることです。コミケにおいてどのサークルを配置するかの材料として、応募時に記載したウェブサイトを通じてサークルの活動状況が見えること、そしてコミケに依らず同人活動をしているのが肝心と、配置担当者の一言等を耳にして、新たな動きを模索しました。
そしてサークル参加の難易度と評論・情報ジャンルが成立している同人誌即売会として選んだのが、コミティアということになります。2014年の5月5日、コミティア108にて初のサークル参加となりました。前日まで大慌て、キンコーズでなんとかコピー本15部作っての参加でした。

その時のサークル参加が功を奏したのか、コミックマーケット86ではサークル参加に初当選。この時頒布しました「高専ロボコンの本」は50部弱刷ったのですが、まさか12:30頃に完売するとは・・・自分の想像以上に、高専ロボコンを知っている方、現役バリバリの学生、そして卒業生と多数一般参加していることを実感した瞬間でした。

そして以後刊行を積み重ねて、今度の12月31日 コミックマーケット91 3日目では新刊「高専ロボコンの本 7」を頒布予定です。主な内容は、関東甲信越地区大会と近畿地区大会の大会レポートです。
高専ロボコンの本 7 コミックマーケット91 頒布情報 - flying gears blog

サークル活動での目標として、高専ロボコン30周年に向け大きな1冊を出すのを目標にしてからはや3年ちょっと。今年の地区大会から、「ロボコン30」と題して高専ロボコン30周年の動きが既に始まっています。それらの動きに負けじと・・・までは難しいかもしれませんが、高専ロボコンを題材として同人活動を続けられればと考えています。

色んな方向に話が飛び散ってしまい、まとまりのない文章になってしまいましたが、「高専ロボコンの本」シリーズを手に取っていただく機会がありましたらよろしくおねがいします。